Dr.コラム

2011年1月 コラム(13)
大頭 信義

朝湯こんこん あふるるまんなかの わたくし
種田 山頭火(昭46発表)

 新年、おめでとうございます。 本年もよろしく、お願い申し上げます。

 山頭火にも、こんなのんびりした句がありました。 
山頭火は山口生まれですが(明治15年)、大正15年に熊本の寺を出て、法衣と笠をまとうと鉄鉢を持って句作の旅に出たのでした。深酒が常で、本人曰く泥酔への過程は「まず、ほろほろ、それから、ふらふら、そして、ぐでぐで、ごろごろ、ぼろぼろ、どろどろ」であったとのことです。
酒と俳句については「肉体に酒、心に句、酒は肉体の句で、句は心の酒だ」と語っているようです。

 冒頭の句がどこで、いつ作られたのか私は知りません。しかしなんとなく、山中の温泉宿の新年の朝だろうかと、勝手に想像してみたりします。
「うしろすがたのしぐれていくか」のような、孤愁と寂しさがただよう雲水生活の中にも、久し振りに手足を湯の中に伸ばす姿には、こちらもほっといたします。
深酒にぼやける頭で、句作は考えていたでしょう。こんな山頭火は生活パターンとしては、果たして夜型か、はたまた朝型だったのだろうか。

 私は、典型的な夜型としてやってきました。大体、2時半か3時頃なれば、コンピューターの前を離れて、狭い湯船に身を沈め、ふーっと大息をつきます。  次第に古希が近づくにつれて、生活スタイルをがらりと変えてみようかと思案もします。

 夜、11時ころに寝て見る生活は、果たしてどうなるのだろうか。
毎日のように書き込む介護保険の主治医意見書や障害者申請書が遅れるのかな、mail を読まずにすっ飛ばすのかな、夜中の趣味のごそごそもできなくなるな。
その代わり昼間は、はつらつかなあ。夕食後にウオーキング、なんてことも考えるようになるのだろうか。

 果たしてどちらが、「健全な」生活なのか、今年いっぱい考えてみるか。・・・むむ。