Dr.コラム

2011年7月 コラム(15)
理事長 大頭 信義

クリニックの活動、 ここらで一区切りです

◇ クリニックの名称が変わります。
 この8月1日より、私たちのクリニックの名称が変更になります。 「だいとう循環器クリニック」から、「だいとうクリニック」へと変身します。
 それとともに、クリニックの活動内容が少しづつ変わっていくこととなります。

◇ もう、25年が経ちました。
 「だいとう循環器クリニック」がスタートしたのは、昭和61年5月でした。それまで私は、国立姫路病院(現・姫路医療センター)胸部外科で心臓と肺がんの手術をしていましたが、いろいろやりたいことが濃厚となってきて、現在のJR姫路駅前・しらさぎビルで開業ということと致しました。
  25年という長い期間にわたって、現在の活動形態を守ってまいりました。この間にスタッフと一緒になって、皆さんとの間に築いてきましたのは、次の3つと言うことになります。

◇ 循環器系患者との関係
 その第一は、循環系の疾患をもった方々との交流です。国立病院で、私は第4代 の心臓外科の医長でした。その歴代の医長の時代に施行した心臓手術、狭心症や不整脈のコントロールが中心的な仕事でした。現在も、その時代の心臓の患者さんが沢山お見えです。心臓弁置換術を受けた患者は毎月定期的に診察が必要です。また、2,3才の頃に手術した患者さんが成長して結婚し、お産の相談に来ます。
 その他に、県立循環器病センターや、神戸大学、神戸中央市民病院、さらには京都大学で手術をうけた患者さんがやってこられます。
 そして、生活習慣病についての関心が高まった現代においては、高血圧、糖尿病、
 脂質異常症を持った患者さんが、脳梗塞の予防や、狭心症の治療などで沢山お見えです。
 私が、姫路市医師会で、心臓検診委員会を27年わたって担当していたこともあって、小・中・高校生が検診に集まります。
 こんなことで、午前・午後の診察は、心臓関係の患者とのやりとりが中心でした。

◇ がん療養患者との付き合い
 国立時代の肺がん手術の時代から、「がんの説明」に力を注いで来ました。当時から肺がんは治りにくいがんでした。手術をしても、しばしば再発という厳しい事態となることが、少なくありません。病棟のナースとともに「がん告知」(これはあまりいい言葉ではありません)という問題で相談を繰り返していました。
  がんの場合の「病気の説明」は、それぞれの事情に応じて微妙な問題が存在し、一本調子にはまいりません。現在でも、家族で話し合いにくい状況に置かれている方々もしばしばあります。しかしながら、医療者の意見を参考にしながら、家族で一緒に考え、最終的な治療の方針は、本人が決定するようにしたいものです。
 これまでの外来でも、長く時間を割いて、がんの治療法の選択に、患者・家族とともに考え、参考意見を述べてまいりました。

◇ 在宅療養を強力に支援する
 第3の活動は、在宅支援でした。病院で長く入院治療を受けられないという医療情勢や、患者の自己選択権意識の高まりもあって、在宅療養への期待は高まっています。しかしながら一方では、高齢者の二人家族や、さらには独居の増加が顕著となってきて、
 在宅実現も難しい面も増えて来ました。これから全国的に、「在宅」増えてくるかどうかは、介護保険、医療保険の生み出すものによって変動することでしょう。
 姫路市内外の患者のお宅に通わせてもらいました。その実際は、看護師の宮岡や中野の今月号の記事にも述べられています。
 そしてさらに、神戸に本部をおく「日本ホスピス在宅ケア研究会」の会員、理事の皆さんと親しくしていただきました。 全国の理事長を務めて、20年になります。今年は7月に、沖縄で全国大会があります。真摯な全国の医療活動に関心の深い仲間達の心に触れることは大きな喜びと私自身の励みとなりました。

◇ いま、新たな活動形態へ
 すばらしい友を得ました。3月まで県立姫路循環器病センターの院長として活躍し、姫路医師会でも循環器系の勉強会、研究会の多くの場で私たちをリードし続けてこられた梶谷定志医師が同じビルで、一緒に開業してくれることとなり、循環系の患者を担当してくれることとなりました。心嬉しい限りです。循環器系の患者さんは、私のクリニックをこれからも利用しながら、かじや循環器クリニックやさらには県立循環器センターを利用しやすくなります。さらにお隣のビルには、胃腸科専門の「白枝医院」があって、3者が力を合わせて、診療にあたりやすい環境となっています。

◇ 午後は、すべて往診となります。
 これまで、クリニックの直接のスタッフであった7人の看護師が、「訪問看護ステーション・だいとう」を設立して、そのスタッフとなり、姫路市の他の医療機関からの訪問看護要請に応えて、姫路中を(時には、市外まで)駆け巡ります。 
 在宅への希望が次第に増え、現在は60件あまり、がん患者が20件程度と、この分野も忙しくなってきています。 そこで思い切って、午後は外来をやめて、往診ばかりと致します。   通院が困難になった方は、遠慮なく申し込んで下さい。 「訪問看護ステーション・だいとう」の看護師と協力して、出向いてまいります。   とくに、がん患者の場合には、しばしばお隣の市町にも出かけています。365日・24時間の体制でやっていくためには、看護師の皆さんの強い協力が絶対に欠かせません。   皆さん、これからもどうかよろしく、お願い申し上げます。

◇ 「がん患者サロン」の新設
 がん患者は、がんの治療に心を悩まし、孤独に陥ります。家族の強いケアをになう心があっても、まだその悩みはつきません。 同病の方の様子をしり、その人たちと声を掛け合い、ともに難題を相談しあうのは、何にもまして貴重です。
 クリニックの利用者だけでなく、広く姫路近辺の方に声を掛けてあげて下さい。
 サロンは、がん治療、高齢者療養の資料・書籍を沢山準備します。 パソコンで、がん療養の情報も引き出すように、スタッフやボランティアが援助します。
 8月1日、週3回、午前中の開催からスタートです。

◇ 新しい「だいとうクリニック」、「がん患者サロン」、「訪問看護ステーション・だいとう」
 そして、これまでも大切に育てていただいた「ヘルパーステーション・だいとう」、「認知症グループホーム・花みずき」も今後ともによろしく、お願い申し上げます。