Dr.コラム

2021年1月 コラム(34)

鐘の音の妙


 今年こそは、コロナ禍への対策が、なんとか軌道に乗って欲しいと願うばかりです。
昨年秋は、山折哲雄さんのユーキャン講演集をCDで熱心に聴きました。
第1巻は「どう生きる人生八十年時代」、 第4巻は「古典に親しもう」、第7巻「宮沢賢治の生命観」 といったようなものです。

 その中に、こんな面白い話がありました。
西洋と日本では、鐘の音の表現、聴く者の印象が全く違うというのです。
西洋の教会の鐘は小さくて、小さな棒で打つ。 「かん、かん、かん」 
それを英語で表現してみると、“Come, Come, Come” 「おいで、おいで」となる。

ところが日本の鐘の場合には、「ゴーン、ゴーン、ゴーン」 
英語では“Gone, Gone, Gone” 「行ってしまった, 逝ってしまった」となる。

西洋の鐘は、「教会へおいで、おいで」、 日本は「ああ、逝ってしまった、亡くなってしまった」と、人々の耳に、心に響く、というのです。
その余りの対比の妙に、私は思わず、唸ってしまいました。
「ふ ーーー ん」

 年の初めから、対コロナの苦難、妙策に一喜一憂しながら、患者やその家族の不安、心配、そして各自の工夫の数々に、じっくりと耳を傾けて、一緒に考えていく、そんな一年でありたいと思います。
本年も、よろしくお願い申し上げます。  
                          

2021年 初頭にあたりて