機関誌「花みずき」

LDLコレステロールが高い?
中性脂肪が高値?
ーそして、動脈硬化についてー

院長 大頭 信義

 「高脂血症(こうしけっしょう)」は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が多すぎる病気のことをいいます。最近のガイドラインの変更により、従来の「高脂血症」から「脂質異常症」と名前が変更になりました。
 「高脂血症」には、トリグリセライド(中性脂肪)が多い高中性脂肪血症、LDLコレステロールが多い高LDLコレステロール血症、HDLコレステロールが低い低HDLコレステロール血症があり、3つのうち1つでも当てはまると、「高脂血症」と呼んでいました。ただ、高脂血症という呼び方では、低HDLコレステロール血症を含むのは誤解を招きやすいため、「脂質異常症」となりました。

 高脂血症の基準
 LDLコレステロールが140mg/dl以上になると、「高コレステロール血症」となり、中性脂肪(トリグリセライド)150mg/dl以上になると、「高トリグリセライド血症」という範囲に入ります。そして、「高脂血症」とは、「高コレステロール血症」もしくは「高トリグリセライド血症」のいずれか、または両方である状態を総称した言葉です。

 「高脂血症」と「高コレステロール血症」の違いは何ですか、という質問がありますが、「高コレステロール血症」とは、LDLコレステロールが140mg/dl以上の状態であり、高脂血症は、「高コレステロール血症」もしくは「高トリグリセライド血症」のいずれか、または両方である状態ということになります。

 しかし、もっと大事なことは
 クリニックの患者さんにいつも申し上げることですが、コレステロールが高いことより、もっともっと大切なことがあります。それは、あなたの血管が硬くなっている・・・動脈硬化になっていないかという点です。
 現在、脂質異常症は、血液検査で簡単に診断されますが、「動脈硬化」は最近になって、検査がやりやすくなった項目です。私たちのクリニックでは、特に予約も必要でなく、その場で希望すれば簡単に検査できます。この動脈硬化の検査の重要性をよく理解されていて、定期的に年に1~2回、自分から希望されて検査を受けている方も相当数おられます。

動脈硬化検査1.動脈硬化検査(PWV検査)
 
心電図をとる時のように、手首・足首に電極を挟んでとるもので、検査は10~15分で終了します。動脈硬化の検査の結果は、すぐに診察室で説明しています。動脈の硬さがどれくらいかが判明し、それは、年齢にすると何歳くらいの血管の硬さに相当するかが判ります。動脈の硬さを調べる、最も基本的な検査です。

2.動脈内皮機能検査(FMD検査)
 
FMDはFlow Mediated Dilation の略で日本語では血流依存性血管拡張反応検査と言い、カフで腕を締めその後の血管拡張を超音波で診る簡便な検査です。
正常な内皮細胞は、カフを緩めた後に血管拡張物質である一酸化窒素(NO)を放出します。
このNOがどれだけ放出されたかは、どれだけ血管が拡張したかを見ることにより分かります。血管拡張が少ない場合は、内皮機能が衰えているということになります。
この検査も、15分くらいで終了します。動脈硬化の初期の変化を見るのにすぐれた検査です。

◇ 動脈硬化が進行していると、判定されたなら
 申すまでもなく、進行した動脈硬化は、脳梗塞や下肢動脈の血栓・閉塞などの重大な合併症の原因になりますから、直ちに、その予防・治療を開始します。
 ご存知のとおり、豆腐は原料が大豆であり、栄養成分、効果は大豆と同じです。良質のたんぱく質を含んでいて、ビタミンB1やビタミンE、カルシウムや鉄などのミネラル類も豊富!
 豆腐に含まれる大豆たんぱくの50%を占める成分であるグリニシンには、コレステロールや中性脂肪の血中濃度を下げる効果があります。
 同じく豆腐に含まれるレシチンは、血中コレステロール値を下げ、善玉コレステロールを増やす効果があり、動脈硬化や脂肪肝の予防にも効果あり!
 そのほか、豆腐には不飽和脂肪酸の体内での酸化を防ぐ大豆サポニン、女性ホルモンと似た働きをし、骨粗しょう症、更年期障害を予防・改善するイソフラボン、余分なナトリウムを排泄させることによって血圧を下げる作用があるカリウムと健康に役立つ要素が豊富です。イソフラボンの1日あたり摂取量について厚生労働省から管理基準値が発表されていますが、豆腐や大豆は多く摂取しても健康に害を与えることはありません。