機関誌「花みずき」

LDLコレステロールが高い?
中性脂肪が高値?
ーそして、動脈硬化についてー

院長 大頭 信義


◇ 高脂血症に対する食事療法は、今では、多くの人が多くの知識を持っています。
 野菜を中心とした食事療法は、常識となっていますが、その野菜の中でもコレステロールに悩む方におすすめしたいのは、「ブロッコリー」や「キャベツ」などといったアブラナ科野菜です。研究では、このアブラナ科野菜に多く含まれるアミノ酸の一種「SMCS(S-メチルシステインスルフォキシド)」がコレステロール値の改善に高い効果があるという結果が出ており、これは臨床試験でも効果が確認されています。

◇ 高脂血症の薬剤治療
  「スタチン系」と呼ばれる薬はコレステロール合成を抑えます。スタチン(Statin)とは、HMG-CoA還元酵素を阻害することにより血液中のコレステロールを低下させる薬物の総称です。服用して2週間ほどで、コレステロール値は下がります。
 メバロチンという薬剤に始まり、リピトール、クレストールといった優れた薬剤が世に出ました。これらの薬剤の服用により、高脂血症は容易に対応できるようになりました。
 コレステロールよりも中性脂肪が多い人に向くのが「フィブラート系」と呼ばれる薬です。ただ、スタチン系との併用は「横紋筋融解症」という危険な副作用がでることがありますから要注意です。

 ここで、私の内緒(?)の秘密をお話しましょう。
実は私は、中性脂肪が異常に高いのです。それも尋常な高さではなく、なんと1200mg/dlという異常値なのです。900 mg/dl以上を放置すると、膵炎が発生しやすく、400 mg/dlぐらいでもトラブルは多いのです。それで、薬を飲んで、200 mg/dl前後に収めています。

 もうひとつ「実は」があるのですが、これは、いつかの「花みずき」に書いたことがあります。22才で、歴とした「高血圧症」患者であり、これに対する対応を考えて、東京の電気系大学生から卒後同時に、小学時代からの夢であった電気屋さんになるのはあきらめて、京都の医学部に移ってきたのです。ところが今度は、卒業して医者になってしばらくした頃に、とんでもない中性脂肪高値に遭遇したのです。その後、うちの患者さんで1200 mg/dlなんてべらぼうな数字の方に出くわしたことはありません。このとんでもない高値は、しかしながら、全く私の責任ではありません。歴とした先天性異常です。中性脂肪を分解する酵素が全身に少ないのでしょうね。でも放置しておくと間違いなく、動脈硬化が進行して脳梗塞に見舞われるでしょう。しかし、うまく絶妙の薬剤が開発されていました。ベザフィブラート(商品名:ベザトール)という薬です。これを毎日服用して、中性脂肪を200 mg/dl前後に下げています。

 高血圧症と高脂血症は、ほとんど患者の責任ではありません。遺伝です。糖尿病は、半分が遺伝、あと半分が自分の責任です。
こんな事情で、毎朝私は、10種類の薬を飲んでいます。糖尿:3種類、高血圧:2種類、抗コレステロール2種類、抗動脈硬化1種類・・・・・なんやかんやで10種類ちょっとになります。お蔭で、ピンピン元気です。小学校6年間は、欠席0でしたが、医者になってからも欠勤0です(ただし、年1~2回は、海外旅行で休ませていただいています。すみませーん)。