だいとう循環器クリニック

花みずき


ファミリーラブストーリー

姫路市土山 井上さん


 平成11年2月20日、二人の娘が銀婚式のお祝いにと湯原温泉行きのお膳立てをして、子供たちに支えられた楽しい妻と2人の一泊旅行を25年タイムスリップして終えました。ところが、その年の4月に、定期的に受けていた日赤の腸検査で、妻の直腸にポリープがあり、組織検査の結果、手術は避けられないとの説明を受け、家族全員大きなショックを受けた。

 それからは、心の動揺をおさえる為、行動のパターンを変えようと話し合って、かなり激務であり、生き甲斐でもあった紳士服販売パートの勤務時間を職業意識の葛藤の末、大幅に短縮して、余った時間を骨休みのつもりで楽しい余暇に羽を広げようと決めた。それからは、屋外に出かけることが多くなり、5月のゴールデンウィークに大河内ダムの見学や桜の散った播磨中央公園に出かけ、緑に触れる機会をつくった。

 5月21日、主治医の手術打ち合わせ説明で、直腸腫瘍は大きな瘤になっており、初 めて知った人工肛門になるとのことで、覚悟はしていたものの不安の交錯が伝わってきた。子供たちの行動も、妻を気遣い想う気持ちが態度に現れ、日常の掃除、洗濯、 買い物は子供たちの日課になった。
 手術当日は、妻の姉弟もつめかけ、1時間に及び人エ肛門となったものの、施術に感謝し、成功の喜びを噛みしめ合った。
 それから、毎朝晩、家族の誰かがベッドに付き添った。また、多勢の方々から見舞いや花束が届けられ、元気づけられた。

 私達家族にとっては誕生会も恒例で、場所が病院に移っただけ、別にいつもと変わりなくお友達も交えて妻の回復を祈る願望色が強い。
 毎日の行動は、洗腸と家族の暖かい手作り食事のアラモードが持ち込まれ、妻が批評したり、その日の出来事を伝えたり、同室の人と一体になって楽しい団らんのひとときが続き、疲れがここで癒されているようである。
 その年の8月1日退院。私の夏期休暇に家族揃って久しぶりのお出かけ、姫路城、博物館、美術館など、懐かしく散策した。又、お見舞いに来ていただいた方々に快報を伝えて廻った。

 10月30日、オストメイト講演会を知り、市民会館中ホールで娘の恵理と3人で参加。ス卜マーのトラブルや日常生活の取り組み方の説明があった後、姫路で開業されている大頭先生の講演があり、がん患者としての共生について色々なデータを基に熱弁をふるわれ、本当に感慨深く初めて出会った大頭先生を非常に身近に感じた。最後にブーケの会の誘いがあり、後日説明を受けて入会した。
 11月には、手柄山へ暮れゆく秋を忍び、紅葉を観賞したり、年末に楽しみにしていた体調のいい日を選んで、神戸ルミナリエの人・人・人の中へ行き、光のオブジェに大満足した。

 正月は、魚吹神社と朝日山へ初詣。妻の復帰を祈願した。その後、2月の検診で肝臓に陰があると言われたが、CT検査で異常見られず―安心。これからは何が起こるかわからないと―喜―憂したが、何か楽しいことをと心掛けた。
 お出かけは続き、2月に室津に行くと、水仙と海のコントラストがとても美しかっ た。4月に造幣局の桜の通り抜け、25年ぶりの大阪城にも行った。そのあと、佐用町平福のシャクナゲの里にもドライブ、懐かしいたこ焼きを口にしながら、お茶のサー ビスに感動した。ゴールデンウィークに入って、福知渓谷の河原でバーベキュー、西の小京都、龍野市内散策をも楽しんだ。
 6月7日に長女の恵理が西宮市でジャズライブに参加。父兄参観日のような気持ちで応援に出かけ、思いのほかうまく持ち時間をやってのけたので、胸を撫で下ろした。
 その後もお出かけはエスカレートし、6月に山崎の花菖蒲園、7月に赤穂城跡、 8月に氷上町年輪の里での花火大会、大屋町の天滝、9月にはジャパンフロ―ラ2000 淡路花博、10月に灘のけんか祭り、明石公園散策等々。

  11月16日、日赤で大腸ポり―プを内視鏡による切除をした。平成13年2月、腎臓CT検査の結果、骨盤内へ転移発覚、1ヶ月間抗がん剤投与治療予定で再入院。
 3月20日、二女の麻紀の結婚を4月8日と決め、心の準備もあり退院し、挙式当日は元気に列席、 べルクラシックでの華が―輪加わった。
 6月頃から、骨盤内の痛みを訴える時間が多くなり、居間にソファべッドを入れて横たわることにした。傍で、家族の会話に加え,27年前に私と出逢った頃から懐かしく熱い想いをタイムスリップして語り合った。
 8月31日に骨盤内麻酔手術をファイバースコープでさぐり当て、成功したものの、余り痛みの解消にはならず、重い腰を動かして不安が募る毎日が続く。

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