だいとう循環器クリニック

花みずき


花みずきの皆さん有難うございました

保護者  後藤さん

 あつ子は3月4日、天国へ旅立ちました。89歳でした。
生前中は花みずきの皆さんには本当にお世話になり、有り難うございました。本人も感謝して逝った事と思います。
 花みずきには平成13年12月1日オープンして1ヶ月後に入所しましたが、まだグループホームの事を充分理解せず、とにかくあつ子は一人住まいでしたので、どこか適当なところを探しておりました。ある方から花みずきを紹介して頂きました。出来たばかりの新しい建物で最初訪問したときは、まだ入所者はほんの数名でした。田中施設長にこのような立派な建物で、この料金で採算合うの?入所者に充分な事が出来るか心配でした。赤字覚悟でしっかりやります、と言う力強い言葉を頂き、安心して入所させました。入所者は短期間に満員になったようです。

 あつ子も当初は寂しがっておりましたが、お連れさんが増えるのに安心したのか、花みずきの生活を楽しむ日々が続きました。誕生会、バラ園の観賞、居酒屋「花ちゃん」、運動会の見学、鹿島神宮の近くへのレクリエーション(一緒に参加しました)等々本当に楽しんでおりました。また写して頂いた写真を何度も何度も見せてくれました。写真は好きなようでした。ヘルパーさんの暖かい心づかい、四六時中行き届いたサービスに安心して生活のパターンができたようです。
 朝早く起きて掃除もしていたようでした。「この会社、働いても給料くれない」と、不平を時々漏らしておりました(家に居たとき何の仕事もしないのに、長年に亘り給料を払っていたので出た言葉だと思います)。
 でも時々「家に帰りたい」とも言いますので、最初の頃は年2〜3回連れて帰り、「このように家はちゃんとありますよ、治ったら帰って住めるようにそのままにしているよ」と言い聞かせました。しかし「花みずきのような素敵な場所はないよ、食べ物はちゃんと3度作ってもらえる、風呂も入れてもらえる、部屋は暖かい、夏は涼しい、話相手は居られる、洗濯はしてもらえる、何かあれば優しいヘルパーさんがすぐ来て下さる、こんな良いところ僕でも入りたい」と言って、あつ子のフトンの上で寝てみる、「こんな天国他にない」と言い聞かせる。

 「家に帰ったら全部自分でしなくてはいけないよ、食事の用意、買い物、風呂の準備、庭の草取り、家の戸締まり、部屋は寒い、あなた一人で生活出来ますか。ここが一番良いところですよ。今度入りたいと思っても、一杯でなかなか入れないよ」と話したことが何回もありました。
 毎日気楽な生活が続いていて頭を使うことが少ないのか、記憶力がより低くなり、気がつけば文字はどうにか読めても、文字が書けない、自分の名前も書けない事が分かった。少しばかり銀行に預金もありますが、払い戻すには本人の署名が居る、これには困りました。自分の名前の見本を書いて練習させたが、なかなか書けない。あっち向いたり、こっち向いたりで大変でした。練習でどうにか書けても、銀行の用紙になると又大変。「なぜ、あなたの名前が書けないの、他人の名前でないよ」と、怒りたい気持ちを堪えて数日かけて、とにかく保育園の子供が書くような字で銀行に行き了解を求めました。もっと元気なときに用意しておけば、と思いました。
 いつの頃か「自分の名前は?生年月日?」と聞いても、「そんなに急に言うても」、と、笑顔のみになってきました。その時は要介護3になっておりました。

 今年の1月27日花みずきより連絡を受けました。右手の握力が無くなって箸が持てない、足も動きが悪い、一度診察を受けては、とのことでした。翌日28日姫路聖マリア病院へ硬膜下血腫と診断され、その足で県立姫路循環器病センターへ。即手術、頭部から血を抜き取って頂きました。約300CC出ました。経過は順調で、予定では2月10日退院、そして花みずきに帰る予定でしたが、2月4日の昼食時にお粥を喉に詰め意識不明になってしまい、3月4日午後1時18分安らかに天国に旅立ちました。
 この3年有余の間大頭先生をはじめ、花みずきの方々には本当にお世話になりました。家族以上の愛情を受け楽しい日々を過ごさせて頂き、本人もさぞ喜んで居たことと思います。あつ子に代わり心から御礼申し上げます。有り難うございました。

平成17年3月20日

ピンクのブラウスやカーディガンがよく似合う、色の白いミセス・あつ子さんでした。
心優しく、お話をしているとこちらの胸の中も温かくなってくるような方でした。
硬膜下血腫は通常、小さな手術で劇的に回復に向かう疾患です。あつ子さんの場合も順調な術後の経過と思いましたのに、予想外のアクシデントで残念な結果となってしまいました。 
その優和な姿をスタッフ一同が心の奥に留め続けています。後藤さん、いつも変わらぬ優しい訪問をありがとうございました。

大頭


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