だいとう循環器クリニック

花みずき


介護保険の周辺

姫路市 香川さん


 私はこの7月に、だいとう循環器クリニックの健康教室で、「介護保険の利用者として」といって、なんだかまとまりのないことをお話しました。それを反省して少し書かせて頂きます。
 21世紀の福祉として発足した介護保険は、ドクターも、ケアマネさんも、ヘルパーさんも、それどころかこの制度をつくりあげ(でっちあげ?)た、お役人達も、皆はじめてのことに取り組んでいるのです。老いた私達は、一回きりの自分の老いの坂道を最後まで自分らしく生きたいと登っています。

 介護保険の流れから言えば、利用者さんと言われる、その私達が材料なのです。この材料(=私達)をつかって、ドクターやケアマネさんは、地ならしをして、良い介護保険を構築しようとしているのです。
以前はこうしたサービスは、役所の事務の決まりをつけるのに必要な手続をする(老人ホームにいれる)措置という扱いでした。そのせいでしょうか、老人ホームも養老院といわれて、なにか哀れな老人が入れられる所のように思われていました。今は自分の希望で選んで入ればいいのですが、入りたい人が多くてすぐには入れません。

 このように弱って来た時に、自分が保険料を払い込んでいる介護保険を使って暮らしたいと思えば、ホームのような施設サービスを利用する型もありますが、在宅サービスを受ける型もあります。私達利用者としては、住み慣れた家で、家族が一緒に暮らしていても、または独居であっても、在宅サービスを受けて、昼でも夜でも、食べる事も排泄も、看護ではなく介護してもらって、最後まで安心して心豊かに生活したいと願うのが自然かもしれません。しかしこれも難しい点がたくさんあります(今の介護保険の力量ではと、付け足しましょうか・・・)むしろ、前に述べた老人ホームで(介護してもらう)、家族と一緒でなくても、どんなに弱っても、信じられる人(ヘルパーさん達)といたわり合って、最後まで生きるのが望ましい形かも知れません。老人ホームは病院ではないのですから、看護によって病気を治すのではなく、自分らしい生活をする場なのです。

 介護保険は今年で5年たちますので、見直す年といわれます。これは本当に必要な事で、よくても、あまりよくなくても絶対に変えないというのでは困ります。一面、国は介護保険制度が国民に喜ばれて良く利用されるので、負担するお金が、私達の払う保険料に、国や県市の予算も加えるので大変だと慌てているふしが見えます。新しい制度が、見向きもされないより、喜ばれるほうがどんなによいでしょうに。
それとは関係ないのかもしれませんが、いろいろ、施設などの呼び方が変わりましたので整理してみましょう。

(1) 特養・・介護老人福祉施設
(2) 老健・・介護老人保健施設
(3) 療養型病床群・・介護療養型医療施設
(4) 有料老人ホーム・・特定施設入所者生活介護
(5) グループホーム・・認知症対応型共同生活介護
  同じような単語がつかわれていて、ややこしいですね。

 介護保険について不満めいた事を書きましたけれど、本当に介護保険は大切な社会の柱だと思っています。医療が閉鎖的な病院から社会に出て、介護との接点を理解し、利用者は賢い利用者になる勉強をし、賢い利用者になったら提案・発言する事が大切です。そして家族は、現代の家族のあり方の中での介護について、社会化の意味を理解する事が必要です。
また、痴呆が認知症と変わった今、介護保険にかかわるとき、認知症を排除する事は出来ません。私達は腰が痛い、入れ歯が悪くて何でも食べる事は難しい、息がはずんで速く歩けない、よく忘れます、よく間違います。けれども私は疎外されたくありません。
認知症の人も、この私のすぐお隣の人です。介護されるとき、介護サービスをする人の心が、どこまで私達に近づいてくれるかがポイントです。認知症の人には、私達が寄り添う事の出来る隣人になれるかもしれません。

 認知症 地域とともに あなたとともにという標語を、ある会合でみました。
私達(利用者さん)も、介護する側に回る事ができるかもしれません。それも勉強しなくてはね!!

高齢者グループの真っ只中に暮らしておられて、いつも仲間と一緒に医療や福祉、社会問題を学習し、グループをリードしてゆかれている香川さんの「介護保険への視点です」(大頭)
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