だいとう循環器クリニック

花みずき

高齢化のなかで、 独り暮らしをどうする


院長 大頭 信義


1.人口ピラミッドの変化

 わが国は、21世紀には超高齢化社会に突入すると言わ れます。次ページの(図1)は日本の人口構成の変化を示すものです。
  1950年には若年者が多く、高齢者が少ないきれいなピラミッド型をしていました。しかし1994年には、働き盛 りの40歳代、50歳代が多くなって少子化が進んでいることがわかります。 そして2025年には、高齢者人口はさらに増え、人口構成は逆ピラミッドの型に近づいていくと予想されています。

2.高齢少子化社会の到来

 高齢者とは何歳以上を指すのかは決まっていませんが、1956年の国連が発表した 資料以来、65才以上を意味することが多く、行政がこの数字を用いるようになったようです。
 総人口の中で、65歳以上の高齢者が占める割合が7%以上を越えると「高齢化社会」と表現し、それが20%以上になれば「超高齢化社会」と呼ぶようになっています。日本は、昨年1998年に、この高齢化率が16.0%となり、確かに高齢者の割合 が次第に増えています。

 次のページの(図2)は、高齢化速度を国際比較したもので、高齢化率が7%から14%越えるのに日本だけが、25年という猛スビードであったという議論がしば しばありますが、この有名なグラフに出ていないイタリア、オランダ、カナダは日本の高齢化スピードとあまり変わらないという指摘もあり、私はまだ確認していません。

(図1)人口ピラミッドの変化
人口ピラミッド
(資料:国立社会保障/人口問題研究所「日本の将来推計人口(1997年1月推計) 」)

 

(図2)人口高齢化速度の国際比較

人口高齢化
(資料)厚生省人口問題研究所「人口統計資料表(1990〜91)、
U.N.「世界人口年間年間」1998年及び国連世界人口推計1992


3.高齢化社会は本当に危機だろうか

 「高齢化社会危機論」は、ジャーナリズムでもしばしば指摘されますが、それは以 下のようなものです。
 「21世紀には、日本社会の高齢化が進み、高齢者扶養の経済的負担が重くなる一方、それを支える経済的働き手の割合は相対的に少なくなる。そのために現在の医療や社会保障の仕組み、税制をそのままにしておくと破綻がやってくる。そうなっては大変だから、そのような危機を回避するために医療保険、年金制度や税制を大きく変革していく必要がある。」 というものです。
 高齢化社会が本当に危機かどうかの解答は、なかなか難しいことだろうと思います。生産人口社会(ここでは、15歳から65歳を意味する)が扶養するのは、高齢者ともう一つ、15歳以下の子供人口があるわけですが、将来は、子供世代がどんどん減少していくので、生産人口の1人あたりにしてみればあまり負担は増えないだろうという議論があります。

 ―方では、年齢による生産性・非生産性という区別もややこしくなって、25歳を過ぎてもすっかり親のすねかじりもいれば、75歳になってもばりばりの第一線での働き手ということもありましょう。
 また、日本の医療を考えるとき、平均寿命は文句なしに世界―を実現しながら、そ の医療費はとても少ないと言う事実があります。
 99年度のわが国の国民医療費 (国民が病気やけがで1年間に使う医療費)は30兆円を超えて膨らんできていますが、国内総生産(GDP)を指標として国際的に比較してみますと、日本の1人あたりのGDPは4万1千ドルで、OECD諸国では第2位(総務庁統計局98年度)であるのに対して総医療費支出についての対GDPでは、 日本は7.3%で米国(13.8%)の約半分、順位ではOECD諸国の中で21位となっています。つまり、日本はまだまだ少ない医療費で、世界一の寿命という成果を上げてきたと言えるわけです。

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